棚のデッドスペースを無くして作業工数を削減した方法とは?
目次 改善は、現場の調査から始めます 改善の背景 お客様の課題 お客様の要望 ご提案した改善 改善効...
株式会社サンリツ
医療機器メーカーK社様から包装設計の依頼があり、オーダーメイドで緩衝材を設計した事例です。
当初、使い捨ての緩衝材を使用して部品を2箱で梱包していましたが、改善によって1箱になったことで、物流コストの削減につながりました。
医療機器本体には、冷却パイプと他の部品が付属でつきます。今回お客様から、パイプの梱包作業を楽にしたい、パイプの専用梱包材を作ってほしいというご相談をいただきました。
お客様との打ち合わせを重ねていくと、様々な課題が生じていることがわかったのです。
当初は、パイプと他部品で、それぞれ1箱ずつ分けて梱包をしていました。パイプは立体的でデリケートであるため、輸送時に破損を防ぐため厳重な梱包が必要で、緩衝材を大量に使用していました。
また、梱包手順書が存在せず、作業者によって梱包方法や梱包時間にバラつきがありました。
・パイプと他部品を分けて梱包していたため、梱包作業に時間がかかる
・立体的な形状ゆえに無駄な隙間が発生し、固定するために緩衝材を多く使用しなければならない
・箱数が増えて、資材コストがかかっている
・作業者によって梱包方法が異なり、作業の標準化ができていない
当社はお客様の既存の外装箱を活用しつつ、パイプと他部品を同梱できる梱包箱を提案しました。3D CADを用いて高さや角度を調整し、パイプを傾けて収納できる段ボールの仕切り緩衝材を設計しました。パイプと他部品を段ボール箱の中で上下に分けて、同梱する他部品を上部の空きスペースに梱包できるようにしました。
パイプを入れていた段ボール箱の梱包容積を少なくしたことで、1つの段ボール箱に部品をまとめることができ、課題解決につなげることができました。
・2箱あった梱包箱を1箱に減らして、資材コスト削減
・緩衝材の詰め込みや2箱目の準備が不要となり、作業時間短縮
・紙の緩衝材で都度発生していたゴミがゼロになり、環境負荷低減
・仕切り構造によりパイプが固定され、破損リスクを低減し、品質向上
・緩衝材は簡単にセットすることができるので、作業者ごとのバラつきがなくなり、作業の標準化に
今回のご提案では、デリケートかつ立体的な部品の梱包において、適切な収納方法で梱包箱数を減らすことで、全体的な物流コストを削減することができました。
最初の梱包作業を楽にしたいというご相談から、当社の包装設計ノウハウにより、環境負荷低減や品質向上にもつながることができました。
当社は、現場で抱える「安全に梱包したい」「作業を簡単にしたい」などの声に応えるべく、お客様とのヒアリングから、潜在的なニーズを解決できるソリューションを提案いたします。