
現場の人手不足問題
物流業界では、2024年問題などによって人手不足が深刻化されています。人手不足が進む中、現場業務の労働力は確保しなければならないため、DXの推進による対策が推奨されています。
当社は、大型拠点を構えて物流サービスを展開している成田事業所第2倉庫では、保税貨物の取扱が中心となり、輸出向け航空貨物の梱包・保管・国際輸送を行っております。DX推進による省力・省人化で5%相当の労働力創出を目指し、労働力不足への対応の一手として、保税業務の効率化を考えました。
従来行われていた手作業
成田事業所第2倉庫は、共同上屋として多くの荷主から様々な貨物をお預かりしております。従来の保税業務は、作業者が貨物を秤に載せて検量、メジャーを使って検尺し、計測値を作業報告書へ手で記入していました。さらに貨物にダメージがある場合はカメラで撮影し、荷主へ報告していました。検量・検尺時間に加えて紙に記入する時間がかかり、記入ミスによるヒューマンエラーが発生していました。
自動寸法測定装置の導入
検量・検尺は、航空貨物の入出庫作業における必須項目であるため、自動化によって作業工数が70%削減できると見込んでおりました。自動で検量・検尺が可能な機械を調査し、数ある機械の中で、パレット貨物も自動で計測ができる、メトラー・トレド株式会社の自動寸法測定装置「TLD870」を導入することにしました。
導入後の作業手順
自動寸法測定装置は、貨物をパレットに載せたまま瞬時に計測、撮影することができます。計測後に計測値が記されたラベルが発行されるため、作業報告書に貼付することができ、手で記入する必要が無くなりました。
撮影された貨物の荷姿及び寸法データは、自動でフォルダーへ転送することができます。
導入後の効果
導入前は、1パレットあたりの検量・検尺に90秒かかっていましたが、自動寸法測定装置の導入によって約4秒となり、作業時間を96%削減することができました。お客様からは「入庫報告が半日早くなり、特にリードタイムが短い貨物に対して助かっています。」といったお声をいただき、貨物のリードタイムの短縮に貢献できました。
そして、課題だった品質と生産性が向上されたことにより、お客様からより一層、信頼を得ることができました。
今後のDXの取り組み
成田事業所第2倉庫では、トラック予約システムやWMS、無人フォークリフトを導入しており、DX推進の取り組みを積極的に行っています。今後は自動化設備の活用を最大限に発揮するため、当社としてどのような使い方が有効なのか。どうすれば省人化に繋がるのか。データ収集を行い、さらなる労働力不足に対応していきたいと考えます。
また、2023年度~2025年度の中期経営計画は、『シームレスな国際一貫物流サービスを推進し、輸出入案件の拡大』と『成田地区の事業拡大』があります。2028年度末、成田空港のB滑走路の延伸やC滑走路の新設があり、2040年代の貨物の取扱量が300万トンとなる見込みです。当社は、航空輸送の需要が高まることから、成田地区の事業拡大に向けて、2026年に新倉庫を竣工予定です。
DXを活用することで、人手不足の課題を解決しながら、物流の未来を創っていくことができます。当社はこれからも革新を続け、より良い物流サービスをお客様に提供いたします。当社の物流サービスに興味のある方、物流の新たな可能性を探る企業は、ぜひお問い合わせください。