差し迫った2024年問題
2024年問題とは、日本の物流業界が直面している大きな課題です。2024年4月1日から自動車運転業務に従事するトラックドライバーの年間の時間外労働時間が960時間に制限されることに伴い発生する問題のことを指します。トラック稼働時間の減少による影響は運送会社だけでなく、物流サービスの提供原資減少にも直結します。運送会社は、荷待ち時間の削減や運送費の値上げ、付帯作業の削減などの対策は、避けては通れなくなるでしょう。これにより、物流倉庫側も対策を行わなければなりません。2024年問題の対応として、当社は荷待ち時間の削減対策に取り組むことにしました。
トラック予約受付システムの導入
当社の成田第2倉庫にて、トラック予約受付システムの導入により、搬入車両の待機時間が削減された事例を紹介します。
トラック予約受付システムとは?
入場予約・入退場受付によって、車両待機の解消や庫内作業の効率化など、物流拠点における課題解決を支援するシステムです。
取り扱い製品
成田第2倉庫では、電子部品や半導体製造装置を取り扱っています。第2倉庫には保税蔵置場が併設されているので、梱包~通関~保税~輸送まで一貫した物流サービスを提供しています。
改善前
第2倉庫では、市場での半導体製造装置の需要増加に伴い搬入貨物が増加していたため、搬入車両の待機時間が問題となっていました。
・朝の時間帯に搬入が集中することから、荷待ち時間が発生していました。
・倉庫の前には20~30台の搬入車両が並んでいたため、近隣住民からクレームがありました。
改善結果
改善後
荷待ち時間を削減するために、トラック予約受付システムを導入しました。事前に入場予約を行い、搬入車両の入場時間を分散させ、車両待機を解消することができました。
・待機車両が皆無となり、近隣住民からのクレームがゼロになりました。
・現場では、入場時間の把握により、荷卸し用のスペースを事前に確保できるようになりました。
また、状況に応じた人員配置が可能となり、荷卸し完了までの時間を削減しました。
運送会社の配車依頼担当者からは「配車のスケジュールが組みやすくなった」との声をいただき、ドライバーからは「予約した時間に合わせて、時間の有効活用ができるようになった」「以前のような入構までの待機時間がなくなった」などのお声をいただきました。
成田事業所の今後の展望
成田事業所では2026年に新倉庫の建設を予定しています。新倉庫でもトラック予約受付システムを導入し、荷待ち時間を発生させないよう問題点の拾い上げに取り組んでまいります。また、物流DXの取り組み強化により、荷待ち時間の削減だけではなく、2024年問題に関する様々な課題を解決していきます。